D.C.Ⅱ 二次創作ショートアフターストーリー ~朝倉由夢編~「望んでた未来」

由夢「おかえりなさい、兄さん!」

私は、泣きながら兄さんに抱きついた。兄さんは、そんな私を優しく抱き止めてくれた。

義之「どうした由夢?泣いたりなんかして」
由夢「兄さんが泣かせたの!もぅ、寂しかったんだから…」
義之「ごめんな?これからはずっと側にいれると思うから、もう泣くな…な?」
由夢「兄さんの…バカ…」

しばらく泣いて落ち着いて来た頃、私は兄さんに訪ねた。

由夢「……どうして戻ってこれたの?私はもう二度と会えないと思っていたのに…」
義之「う~ん…それが俺にも分からないんだ…気が付いたらあの大きな桜の木の根元に立っていたんだよ」
由夢「そうなんだ…でも、本当に良かった…」

そう言って兄さんの胸に顔を擦り付ける。そうすると、久し振りに兄さんの匂いを感じる事が出来た。

義之「ちょっ、由夢っ、やめろ!みんな見てるって!」
由夢「ヤです♪兄さんが悪いんだから我慢して下さい♪」
義之「いや、それはそうなんだけど…恥ずかしいから!」
由夢「ふふっ♪私を泣かせた罰です…覚悟して下さい」
義之「まったく…由夢には敵わないな…」
由夢「え?あっ…」

その言葉の後、兄さんは私をギュッと抱きしめた。私は不意を付かれ、思わず赤面してしまった。

義之「どうした?由夢」
由夢「もぅ…ずるいよ兄さんは…」
義之「ん?何か言ったか?」
由夢「な、何でもない!と、とにかく兄さんはズルいんです!」
義之「あはははは…まぁ、そういうことにしておくよ。それじゃ、そろそろ帰るか?帰りに例のクレープ奢るからさ」

そう言うと兄さんは歩きだした。ずっと待ち焦がれていた景色がそこにはあって、私は幸せだなぁ~と思った。だから…

由夢「待ってよ!兄さん!」

そう叫ぶと、私は兄さんの腕に抱きついた。もう、離れたくなかったから…

それから私と兄さんは、色々寄り道をして帰った。会えなかった時間を、少しでも取り戻したかったから…。そして、最後に兄さんがあの大きい桜の前に行こうと言ったので、私は兄さんに付いて行くことにした。

桜の前に着き、私は桜を見上げながら呟いた。

由夢「綺麗…」
義之「そうだな」
由夢(きっと、この桜が私の願いを聞いてくれたのかも知れない…)

私は、不思議とそう思った。ふと、兄さんの方を見ると、兄さんは桜を見上げていた。

由夢(兄さんは、どう思ってるのかな?)
義之「なぁ、由夢。キス…するか?」
由夢「えっ?」

いきなりの言葉に私は思わず聞き返してしまった。

義之「キスするかって聞いたんだ」
由夢「えっ、あっ、え~と……うん」

私はしどろもどろになりながらもそう答えた。

義之「じゃ、いくぞ?」
由夢「うん」

ちゅっ、と兄さんの唇と軽く触れた。ほんの一瞬だけのキス…でも、そこには確かに兄さんの気持ちがあった。

義之「由夢、改めてただいま」
由夢「お帰りなさい、兄さん」

私はそう答えると、兄さんに微笑みかけた。正面で照れている兄さんを眺めつつ、私はこれから始まる幸せな日々を思い描いていた。忘れられない想い出と共に…

END

produced by 白河 弥生

最近の投稿

一部コンテンツの廃止について

■芳文社ホームページ「画像利用・著作権について」
http://houbunsha.co.jp/copyright.html

上記記載の通り、インターネット上での配信はNGとの事で、芳文社様関連のコンテンツは廃止する方向で進めて行こうと思います。(と言っても、ウチは「けいおん!」だけですが…)
グレーゾーンまでは責任を被る覚悟はありますが、レッドゾーンは流石に責任持てないので、芳文社様の意向に従って公開停止とさせて頂きます。

楽しみにしていただいてた(?)皆様には申し訳ありませんが、何卒ご理解・ご了承の程、よろしくお願い申し上げます。

  1. サイトをリニューアルしました♪ コメントを残す